ずいぶん前のお話になりますが、
「ネグレクトの疑いがあるので来て欲しい」といわれました。
先生がおっしゃるには
「あまり、こどもをかまっている様子が見られません。服装も持ち物もちゃんとしていないんです」
「他のお母さんや●●ちゃんのお母さんはちゃんとしているのに」
しばらく、園に入ることにしました。
そこで、そのお母さんとも話をする機会があったので、声をかけてみました。
「きょうは、○○ちゃん、髪型可愛かったですね、結んであげるといいですね。」
お母さんは、僕にいました。
「気づいてくれたんですね・・・ありがとうございます。
気づいてくれたのは、元気先生だけでした・・。」
そういって、にっこり笑っていましたが、涙を流されていました。
この世界には努力をしていない人など 一人もいないのです。
僕もそうですし、みなさんもそう、世界中に生きているみんな 努力をしています。
他のお母さんと比べると
ちゃんとされていない、こどもの世話をしていないように見えるお母さんもいるかもしれません。
人と人とを比べてしまうと 見えなくなってしまうのです。
一見、努力をされていないように 見えるお母さんも
昨日より、今日、 ほんの少しでも 小さなものかもしれません。 何か努力をしています。
比べてあげるとすれば
「昨日のお母さん」と「今日のお母さん」なのです。
自分自身にも言えます。
比べなければならないのは、「昨日の自分」と「今日の自分」なのです。
他人と比べたところで そこには あまり意味はありません。
学校でのケース会議でも、よく 「あのケースに似ているね」
「あのケースのお母さんは、こうだったけど、こっちは もっと厳しい状況ね」
そんな声を聞くことがあります。
援助者は、つねに 「自分が何を見ているのか」を
しっかりと認識する事が大切なのです。 (げんき)
≪問題解決力がアップするポイント その4≫
「見よう」としなければ 何も見えないのです。
「見えるもの」を見るのではなく、「見えないもの」を見ることが僕らの仕事なのです。(げんき)