「支援をする」ということ
それは 「○ちゃんのお母さん」ではなく、 「○○さん」の支援をするということです。
「○ちゃんのお母さん」という 1つの肩書きを取り外し、 お母さん個人である 「○○さん」なのです。
実際に 僕自身が関わりを持たせて頂いているケースでは
「○ちゃん」については 他の保育士の先生にお任せをしながら
「○○さん」の支援を 主に行っています。
それは あえて 分けているのです。
僕自身が 今まで支援させて頂いた方は 例えば
DVが酷くて離婚されて 一人でこどもを育てている方だったり、 うつ病やパニック障害などで
現在も通院されている方だったり、仕事のストレスや職場でのコミュニケーションがうまくいかなったり
そうした 悩みや不安を抱えた方が ほとんどです。
そのため、その方の生活自体を守っていくためには、生活リズムのサポートをしたり、万が一のための
福祉的な支援策を検討したり、通院されている主治医との連携が必要なこともあります。
また、本当は子育てができる状態でない場合や自傷他害の恐れのあるケースも少なくありません。
そうした「○○さん」(お母さん)の支援 と 「○ちゃん」の担任を一緒にやることは
一見、その方が 様々な面でスムースに行えるように見えますが、
実は 難しいのです。
それは、「○○さん」や「○ちゃん」ではなく、 支援する自分自身の問題なのです。
「○ちゃん」がこんな行動をするのは 、「○○さん」(お母さん)が こうだからなんだ。
きっと こうだから ○ちゃんが 不安定なんだ。
そう 何もかもを つなげて 考えてしまうからです。
家庭の事情や○○さん本人の状況を知れば知るほど、こどもの○ちゃんの行動につなげて
いってしまうのです。
そこで、親子を冷静な視点で支援するためには やはり ○ちゃんの担任の先生が ○ちゃんの
お母さんの支援をするのは 難しいのです。
学校で言えば、担任の先生がスクールソーシャルワーカーをするようなものなのです。
逆に ○○さん(お母さん)の支援に集中すればするほど、○ちゃんの保育に対しての助言も
可能となってきます。
単なる保護者の相談であれば ここまで 分ける必要もありませんが、
ソーシャルワークの相談援助となると 実際には こうした配慮も必要となってくるのです。 (げんき)
≪問題解決力がアップするポイント その12≫
親と子の支援を一人でやることは 自分自身の抱え込みにもつながります。
常に 「近づくためには 距離を保つ」という視点が必要なのです。(げんき)