その12) ○ちゃんのお母さんではなく、○○さんとの関係なのです。

  

「支援をする」ということ 

 

それは 「○ちゃんのお母さん」ではなく、 「○○さん」の支援をするということです。 

 

「○ちゃんのお母さん」という 1つの肩書きを取り外し、 お母さん個人である 「○○さん」なのです。 

 

 

実際に 僕自身が関わりを持たせて頂いているケースでは 

 

「○ちゃん」については 他の保育士の先生にお任せをしながら 

 

「○○さん」の支援を 主に行っています。 

 

それは あえて 分けているのです。 

 

 

僕自身が 今まで支援させて頂いた方は 例えば 

 

DVが酷くて離婚されて 一人でこどもを育てている方だったり、 うつ病やパニック障害などで 

 

現在も通院されている方だったり、仕事のストレスや職場でのコミュニケーションがうまくいかなったり 

 

そうした 悩みや不安を抱えた方が ほとんどです。 

 

 

そのため、その方の生活自体を守っていくためには、生活リズムのサポートをしたり、万が一のための 

 

福祉的な支援策を検討したり、通院されている主治医との連携が必要なこともあります。 

 

 

また、本当は子育てができる状態でない場合や自傷他害の恐れのあるケースも少なくありません。 

 

 

そうした「○○さん」(お母さん)の支援 と 「○ちゃん」の担任を一緒にやることは 

 

一見、その方が 様々な面でスムースに行えるように見えますが、 

 

実は 難しいのです。 

 

 

 

それは、「○○さん」や「○ちゃん」ではなく、 支援する自分自身の問題なのです。

 

 

「○ちゃん」がこんな行動をするのは 、「○○さん」(お母さん)が こうだからなんだ。

 

きっと こうだから ○ちゃんが 不安定なんだ。

 

そう 何もかもを つなげて 考えてしまうからです。

 

家庭の事情や○○さん本人の状況を知れば知るほど、こどもの○ちゃんの行動につなげて

いってしまうのです。

 

そこで、親子を冷静な視点で支援するためには やはり ○ちゃんの担任の先生が ○ちゃんの

お母さんの支援をするのは 難しいのです。

 

学校で言えば、担任の先生がスクールソーシャルワーカーをするようなものなのです。

 

 

逆に ○○さん(お母さん)の支援に集中すればするほど、○ちゃんの保育に対しての助言も

可能となってきます。

 

 

単なる保護者の相談であれば ここまで 分ける必要もありませんが、

 

ソーシャルワークの相談援助となると 実際には こうした配慮も必要となってくるのです。  (げんき)

 

 


 ≪問題解決力がアップするポイント その12≫

親と子の支援を一人でやることは 自分自身の抱え込みにもつながります。

常に 「近づくためには 距離を保つ」という視点が必要なのです。(げんき)