「保育ソーシャルワークは、保育現場でソーシャルワークをすることですよね。」
よく そうした質問をお受けするのですが、、
いつも僕は
「そのような解釈もあると思います。」
そう、お答しています。
僕は、保育ソーシャルワークだけでなく、
スクールソーシャルワーク、
企業内での 企業内ソーシャルワーク(産業ソーシャルワーク)も
行なっています。
でも、 それを
保育現場で行なっているソーシャルワークだから 「保育ソーシャルワーク」
学校現場で行なっているソーシャルワークだから 「スクールソーシャルワーク」
企業内で行なっているソーシャルワークだから 「企業内ソーシャルワーク」
そういう風に 僕自身は 捉えていません。
『場所』は 関係ない。
そう思っています。
「保育技術」にソーシャルワークをプラスすることで 「保育ソーシャルワーク」
「教育相談」にソーシャルワークをプラスすることで 「スクールソーシャルワーク」
「人事システム」にソーシャルワークをプラスすることで 「企業内ソーシャルワーク」
そういう風に考えているからです。
あくまでも「ソーシャルワーク」の理論や方法は 付け加えるものであり、
そのためには、『既存のシステム』や『仕組み』が必要です。
それなくして、単独で「ソーシャルワーク」を導入しても うまくいかない。
僕は そう考えています。
例えば、スクールソーシャルワークは、
単に 学校現場に「ソーシャルワーク」を導入したとしても
それだけでは 機能しません。
あくまでも 既にある 保護者や児童を支援する
「教育相談」に プラスαすることで
はじめて 効果的に相乗効果を発揮し、機能するのです。
企業内でも 同じです。
企業という営利を求める組織の中で、単独で「ソーシャルワーク」が
なんらかの機能を果たすことは難しいのです。
そもそも ソーシャルワーク自体の必要性すら 企業からすれば
理解することは難しいのです。
そこで、すでにある「人事システム」では 解決しにくい問題
企業内でのメンタル不調の方の復職支援や休職中の対応など
そうしたものを解決するために「ソーシャルワーク」がプラスαされる。
そうすることで、はじめて 「企業内ソーシャルワーク」が成立するのです。
「保育ソーシャルワーク」も 同じなのです。
単独で、「ソーシャルワーク」の理論や方法、理念を持ち込んだところで
それだけが なんだか 宙ぶらりんになってしまいます。
よく ご質問にある、
『とても考えは良いと思います。でも具体的にどうしたらいいのですか?』
そうした疑問を生んでしまうのです。
そうではなく、今すでにある
保護者を支援する仕組みや保育技術は ないか?
こどもたちの権利を守る仕組みや保育技術は ないか?
そこを しっかりと認識して、そこに「ソーシャルワーク」をプラスすることで
いきいきとした「保育ソーシャルワーク」が生まれる。
そう 僕は考えています。
今、「保育ソーシャルワーク」の研修を全国で実施しているので、細かな内容は
ここではご紹介はできませんが、 僕は そうやって 皆さんにお伝えしています。
すでに 今、 日々行っている『保育』の中に
「保育ソーシャルワーク」は 存在しているのです。
実は 「新たに学ぶもの」ではないのです。 (げんき)
今ある「保育」を見直して、そこにプラスアルファする。そういう発想をすることが大切です。
まずは、今ある「保育技術」を見直すことからスタートするのです。 (げんき)