その266) イライラしないように伝えるには、どうしたらいいですか?

 

「保護者にイライラしないようにしましょう、と伝えるときに

 

どんな風に伝えたらいいですか?」

 

 

保育士の先生から、研修などでも よく聞かれる質問です。

 

 

本などを見ると

 

「イライラしないように もっと自分を大切にしましょう。」

 

「こころ穏やかでいるようにこころがけましょう。」

 

「気分転換しましょう。」

 

 

そう 書かれているものが 多いです。

 

 

 

 

僕のところの 親と子のメンタルヘルス研究所にいらっしゃる 保護者の方は

 

イライラしている方が多いです(笑)。 もちろん 全員ではありませんが。

 

 

 

でも、、

 

その「イライラしていること」が 特に「悪いこと」とは 僕は思っていません。

 

そうやって みなさんには お伝えしています。

 

 

 

例えば 保護者の方から

 

「こどもの一つ一つの行動や言動が イライラする。腹が立つ」と言われることも

 

度々あります。

 

また、

「自宅で介護をしている認知症の親がまったく言ってることを わからないので、

とにかく イライラしてしまいます・・」  といった こども以外のご相談もあります。

 

 

 

もし、そうした経験が一度もなかったとしたら

 

「なるべく イライラしないようにしましょうね。」

 

「こころを穏やかになれるように気分を換えましょう。」

 

「時には ストレス解消に息抜きしてみましょう。」

 

 

そうした アドバイスを きっと 行なうと思います。

 

 

もちろん こうした 前向きなアドバイスは とても大事です。

 

 

 

でも、、、

 

 

人は 『イライラするものは イライラしてしまうもの』 なのです。

 

 

一瞬、こころ穏やかに努めても、気分転換しても

 

やっぱり 元に戻って イライラするもの なのです。

 

 

 

そんなにイライラしないで、、ではなく、

 

「その状況であれば 当然 イライラしますよね。 わかる、わかる。」

 

これが スタート地点です。

 

 

よほど 気分が良い時や 落ち着いた時なら ともかく

 

自分の思う通りにいかない時に、余裕がなければ 誰でもイライラするのです。

 

 

 

その時に 皆さんに こう伝えています。

 

「自分自身がイライラしないようにするために、 どうしたらいいかを考えるよりも

 

相手に 自分の思ったとおりに 動いてもらうほうが はるかに簡単です。」

 

 

そう お伝えすると 決まって驚かれます。。

 

 

 

普通は 「他人は変えられないが、自分は変えられる」 

 

そう、言われることが多いのですが、 実は 自分を変えるほうが

 

はるかに難しいのです。

 

 

 

保護者には

 

「その方法をお教えしますので、そんな時には メモしておいてください。

 

まず イライラする出来事に出会ったら、その状況を細かく書いてください。

 

できれば 植物や動物を観察するときのように 感情を込めずに

 

こんな時に、こう声をかけたら こんな態度で 出て行った。でもかまいませんので

 

とにかく 僕への情報提供と思って、記録してください。

 

そして 今度 僕にそれを見せてくださいね。」

 

 

 

 

そうやって、 記録してもらっています。

 

 

それを見て お互いに話しながら どう今度から 声をかけるかを考えています。

 

 

 

 

こうした面談の方が、経験上 はるかに イライラしなくなります。

 

 

内側に思いを向けると よほど高度な技術がなければ

 

かえって 相手を混乱させてしまいます。

 

 

 

内側ではなく、行動に目を向けること。

 

それが、イライラしないようにするための 最も簡単なコツなのです。(げんき)

 

 


 

自分を変えようとすればするほど、、、なかなか変わらないのですが、

他人を変えようと努力すると 不思議と、自分の方が変わっているものなのです。(げんき)