「元気先生、もう少し こどもに目を向けて欲しい保護者がいるのですが、、
どのような言葉をかけたら いいですか???」
僕が頂く質問の中で、最も多いのが この「保護者への促し」の言葉がけ です。
研修時のワークで紹介している例を ここでご紹介します。
例えば、ある保護者が夕方のお迎えの後に その子を連れて
連日のように パチンコに行っているとします。
保護者から その状況を直接聞いたわけではないのですが、、
お母さんも 家でもイライラしたり、ストレスが多いようで
ストレス解消で毎日行っているのだと、こどもの話から、わかりました。
やっぱり その子も 家でゆっくり出来ていないので、園でも疲れた様子を見せています。
今日、夕方お迎えの際に 少し お母さんに話しをしてみたいと思うのですが、
どんな言葉をかけたら いいでしょうか?
皆さんなら どのように声をかけますか?
ワークでは、 さすがだなぁ と思えるくらい
保育士の先生方から 色々な言葉がけが 出てきます。
「その子が園で少し元気がないので 家庭のことをうかがう」言葉がけや、
「お母さん、最近お仕事忙しそうですね、疲れていないですか??」
のような保護者を気遣う言葉がけ。
言葉がけの内容そのものは 様々ですが、 話を聴きたいという姿勢を示す
「言葉」を届けることは 大正解です。
これは保護者支援だけでなく
あらゆる人との関係の中で言えることですが、
相手の「行動」について 何か メッセージを伝えるときには
実は ポイントがあるのです。
「今の状況」から 何かの改善を見出す 「言葉がけ」
それは 「ハードルの低い」ことが 絶対条件なのです。
例えば この例で言ったならば
この保護者に対して、「理想的な状況」を求める 言葉をかけたとします。
「お母さんもすごくストレスが溜まっていると思いますが、○○ちゃんのために
できたら、お家に早く帰って ご飯を作ってあげて ゆっくりする時間を作ってください。」
この保育者の想いは ごくごく自然であり、とてもよくわかります。
でも、保護者からは きっと
「先生、なんで 帰ってからのことまで 色々言われないといけないんですか???
プライベートなことまで 関与しないでください。」
そう言われてしまいます。
もう、一つ 今度は 「最悪の状況」を想定した言葉をかけてみます。
「お母さん、もし パチンコ屋で ○○ちゃんが連れ去られたりしたら大変ですよ」
これも 保育者としては 当然の想いです。
でも、きっと 保護者からは
「そんなことくらい 分かっています。ちゃんと見ているので大丈夫です。」
そう 言われてしまうかもしれません。
「理想的な状況」を想定しても、 「最悪の状況」を想定しても
相手には 届かないのです。
それは
「両方とも」 すでに 保護者は わかっている からです。
人は わかっていることを言われると あまりいい気分がしないのです。
相手への言葉がけのポイントは
「理想」と「最悪」の真ん中の状態。
ハードルの低い、行動しやすい「目標」を設定する 言葉
これが もっとも 相手のこころに届きます。
「少し、○○ちゃんが元気がないので 話を聴かせて欲しい。」
「お母さん 何か疲れていませんか、是非お話を聴かせてください。」
ここでの目標は まず「直接 保護者から話を聴くこと」です。
そのための「言葉」をかけることが 次へつながる
大切な「言葉がけ」になります。
「話を聴かせて欲しい」
そうした働きかけであれば 保護者も抵抗を感じません。
あっ それくらいなら できる。
きっと そう思うはずです。
この保護者も もしかしたら 思っているかもしれません。
「自分がわかっていることを 先生からも言われるんじゃないだろうか・・」
やっぱり 保護者も「不安」なのです。 (げんき)
久しぶりの更新となりました。今週は、神奈川県から長崎県。そして奈良県へと
保育者研修で出張しています。(げんき)