「ソーシャルワークの視点って何ですか?」
とても難しい質問ですね。
でも、僕は みなさんに こうやってお答えしています。
地域社会で 暮らす 一人 一人には その人なりの「しあわせ」があります。
大きな「しあわせ」も あるかもしれません。
小さな「しあわせ」も あるかもしれません。
でも、大きさなど関係ないのです。
その人なりの「しあわせ」で十分 なのです。
でも、 人は 生きていく中で、 望んではいないのだけれど
様々な困難に出くわすことが あります。
会社が倒産し、失業することがあったり、
病気になってしまい、障がいを持ってしまったり
離婚して 一人で家族を守らなければならなくなったり
突然やってくる そうした困難。
それが 「生活問題」です。
そうした「生活問題」を何とか克服して
今までのような 自分なりの「しあわせ」な暮らしを取り戻したい。
その欠けてしまった部分を 「社会サービス」という資源を使って埋めていくこと。
これが 「ソーシャルワーク」です。
では、「ソーシャルワークの視点」とは いったい何ですか?
それは 「その人のしあわせ そのものには ケチをつけないこと」です。
「なんで あんな人と一緒にいるの? 別れた方がいいわよ。」
「もっと いい仕事はないの? そんな仕事やめてしまったほうがいいかもよ。」
「一人で子どもを育てるのは大変よ、早くいい人見つけて再婚したら。」
そういう視点を持たないということです。
その人の「しあわせ」そのものには 口を挟まずに
どうやったら、欠けた部分を 「社会サービス」で埋めることができるか、
どんな「社会サービス」があるのか、
その「欠けた部分」を補う「サービス」に目を向けることが
「ソーシャルワークの視点」です。
その人の「しあわせ」そのものには 口を出さなくていいのです。
なぜなら
その人自身が 今の生活を楽しく 幸せに過ごしているのであれば
それは 「しあわせ」だからです。
そして、もし 自分自身がもっと「しあわせ」になりたいと思えば
その人自らが 選び、見つけ始める。
そんな力を その人自身が持っていることを 信頼しているのです。
それが 「エンパワーメント」です。
「しあわせ」そのものに 口出しはしない。
どうやったら 欠けてしまった部分を 社会サービスで補うことができ
以前のような 「しあわせ」を感じてもらえるだろうか、
それが 「ソーシャルワーク」の視点であり
ソーシャルワーカーとしての姿勢 なのです。(げんき)
ソーシャルワークを 難しく考える必要はありません。
他の人を尊重する。他の人のしあわせを尊重する。その想いが大切なのです。(げんき)