先日、ある学生の方からメールを頂きました。
「ソーシャルワークを学んでいます。でも、まだ相談支援の経験もありません。
学生なので、お金もあまりないのですが、どうやったら 相談がうまくなりますか?」
とても 若者らしい メールでした。
数年前にも 卒業寸前の学生の方から 同じような内容のメールを頂きました。
その子は、今 とても素晴らしい活躍をされています。
その子には、卒業前に、3つのことを お伝えしました。
「人というのは、知識で こころを動かされることはありません。
でも、こころを動かさなければ 相談支援というのは 成り立たないのです。
では、どうやったら 相手のこころを動かすことが できるか。
それを鍛えるのに お金など かからないのです。」
一つ目の練習
それは 「良い面」だけを見る練習 です。
すべてのものに、長所もあり、欠点もあります。
メリットもあれば、デメリットもあります。
ただ、ただ、長所だけを まず見つめる練習です。
テレビを見ていても その内容の良い面だけを探す。
誰かとあったら その人の良い面だけを探す。
日常にある ありとあらゆるものを見た時に
最初の「探し」は、「あら探し」ではなく、「長所を探すこと」です。
それが、見つかった後で、相手の「あらを探す」のであれば それも良し。
まず、とにかく 最初に 「良い点や長所」を探すクセをつけることです。
二つ目の練習は、 「笑顔」です。
笑顔は 元手もいらず、減ることも ありません。
ただ、ただ、笑顔の練習をしてください。
そして、最後、 3つ目の練習。
それは、 「本を読むこと」です。
「知識」では、人のこころは 動かないといいましたが、
読んだものを そのまま 伝えたのでは
こころは 動かないということです。
『本』は 自分の『細胞』と なります。
本を読んで、それを 完全に「自分の言葉」に置き換えると
それは あなたの『細胞』となるのです。
本を買うお金がなければ、大いに図書館を利用してください。
ただ、1点だけ 注意点があります。
それは 『自分のジャンル』の本棚には、「あなたの答えはない」ということです。
自分が どうしても知りたいものがあると
人は、『自分のジャンル』や専門コーナーの棚を探そうとします。
でも、そこには 「答え」はないのです。
「答え」があるのは、 その『自分のジャンル』や専門コーナーの棚から
もっとも遠い 本のコーナーに 実はあるのです。
同じテーマを探す 2人の学生がいて
一人は、たぶん、誰もが探すであろう 『自分のジャンル』の棚を 探す。
もう、一人は 『自分のジャンル』から もっとも遠い「未知」の棚から 探す。
この「差」は、のちのち 大きな「差」となるのです。
この3つの練習を教えました。
それから 卒業後、彼女は医療現場のソーシャルワーカーになりました。
その彼女は、年は かなり 若いのですが、
僕が知っている限りでは、NO.1のソーシャルワーカーです。
「だいじょうぶ。きっと、君なら なれるよ。」
メールを頂いた学生の方へも、 そう お伝えしました。 (げんき)
「人」を育てることは、喜びです。
それは「教育」だけでなく、「相談支援」も同じです。 相談支援も「人を育てる」ものなのです。(げんき)