「元気先生、ひとつ質問ですが、いい言葉がけと、駄目な言葉がけというのは、
何か、声のかけ方の問題ですか?」
保育者研修の中で、先生から質問を頂きました。
「伝えたい内容」は、ともかくとして、
「駄目な ことばがけ」は、ないのですが、
「良いことばがけ」というのは、あります。
「良いことばがけ」
それは、「絵が描けるかどうか」です。
僕は、定期的にセラピストの方に「ことばがけ」のトレーニングを行なっていますが、
内容は、いたって簡単です。
僕は、手元に スケッチブックとサインペンを持って
『話を聞いた後に、その場面を絵として描けるかどうか』を 確認しています。
こどもたち向けの「ことばがけ」だと
「あの雲をみて!」 よりも 「あのふわふわの綿菓子みたいな雲みて!」
「赤い車が走っているね」よりも 「真っ赤なトマトみたいな車が走っているね。」だったり、
大人向けの「ことばがけ」だと
「こどもへの親の思いが大切です。」よりも、
「こどもへの愛は、目で伝えるものです。目と目をあわせることが思いを伝えることです。」
「明日は、プールカードを忘れないようにお願いします。」よりも、
「プールカードが入場券みたいなものなので、朝入る前にチェックしています。」など、、
表現は、どんな表現でも構わないのですが、
その「ことば」を聞いた後に、 画用紙を渡されて
「はい、今の場面を絵に描いてみて」 そう伝えられて、
その場面がすぐに「絵」として描けるとしたら、それは 「良いことばがけ」 なのです。
なぜ、人は人に「言葉」を伝えるのか。
それは、自分の「メッセージ」を 相手の「脳」の中に「映像」として描かせるため。
そのために、「言葉」を使っているのです。
決して、相手の「脳」に「文字情報」を送っているのではないのです。
あくまでも、「映像情報」に変換できるように、『ことば』を送っているのです。
それは、「象形文字」と考え方は同じです。
「悪いことばがけ」が、もし あるとすれば
それは、「絵が浮かばないことばがけ」 です。
絵本や漫画というのは、そういう意味からすると
かなり メッセージ力の強い『ことば』を送っています。
ほんの少し、「ことばがけ」のポイントをお伝えするだけで、
驚くほど、先生の「ことば」は 相手に届きやすくなるのです。(げんき)
「相手が絵が描けるように話してみる」。もし、この点に気をつけて話をする習慣が身につくと、
自分の中に、ものすごい「アンテナ」が立ちます。あらゆる「モノ」に敏感になるのです。(げんき)