保育士の先生から質問のメールを頂きました。
「虐待の疑いのあるケースに出会ったとき、どんな風に考えたらいいでしょうか?
気になりはじめると、どんどん嫌な想像をしてしまいます。教えてください。」
こうした思いをお持ちの先生方は、きっと多いのではないでしょうか。
メールの内容からは、具体的な問題がわからなかったのですが、、
「考え方」、「考える手順」は、どのケースも同じなので ご紹介したいと思います。
「自分の問題」ではなく、
「他者の問題」を考えるとき
相談支援については、すべてそうですが、「考える手順」というものがあります。
それは 「全体」→「要素」→「関係」→「分析」 という手順です。
問題は、この順番に考えていくのです。
「全体」
まず、そもそも この問題はいったい何の問題なのか? 何がどう問題なのか?
問題の「全体」を捉えます。
このときに マインドマップのように あらゆるもの、思いつくものを全部書き出します。
僕は、これをすべて「カード」を使って書き込んでいきます。
そして、
「要素」
この「全体」を各「要素」に分解します。 書き出したカードを「ジャンルごと」に分けます。
例えば「こどもの行動」「母の行動」「父の行動」 など
「関係」
一つ一つの「要素」の関係を考えます。
それぞれの「要素」がどのような関係性をもっているのか、相互作用しているのか
僕は、書き出した「カード」を並べ替えながら関係を考えていきます。
そして、ここまでのプロセスを経て、はじめて
「分析」
「情報」を集めて、分析します。
その際には、情報を集めるための「目的」と「目標」を明確にします。
「どのように考えたらよいか」とは、
「情報」を集めてから「考える」のではなく
「情報」を集める前に「考えること」が 大切なのです。
「考える」→「情報を集める」→「考える」
これが、「分析」です。
「情報を集める」→「考える」だけでは、「分析」ではないのです。
しっかりとした「分析」の後に 具体的な「対応」が決まります。
「考える手順」というのは、常に 標準化しておくことが大切なのです。(げんき)
「虐待ケース」に気づいたら、60分の時間をつくりなさい。そう伝えています。
悩んだり、不安になるのではなく、まずは「考える時間を作ること」が先決なのです。(げんき)