今、あなたの目の前に がっちりした スポーツマンが立っています。
そして 彼は あなたに こういいます。
「私は 野球選手です。」 と。
あなたは、きっと 「すごい!!野球選手なんですね!!」
そうやって 驚くに違いありません。
でも、、ここで 会話は終わることはないはずです。
「プロ野球選手ですか?? チームは どこですか?」
「どこを守ってらっしゃるのですか?」
「何番、打ってるんですか?」
あなたは、もっともっと 細かなことが知りたくて
きっと たくさんの質問を 投げかけるはずです。
「私は 野球選手です。」 では、具体的なイメージは沸いてこないのです。
プロ野球選手なのか、社会人野球の選手なのか
どこのチームに所属して 守備は どこを守っているのか
何番を打って、打率はどのくらいなのか
プロになって 何年目なのか
そうやって どんどん絞り込むことによって
その人の専門性を把握することができるのです。
先日、新人ソーシャルワーカーの方の研修会がありました。
そこでも みなさんにお伝えしたのですが、、
「私は、ソーシャルワーカーですと自己紹介するのではなく、
より自分の得意な分野やフィールドを説明したほうがいいんですよ。」
そう お伝えしました。
僕は、『保育ソーシャルワーカー』と紹介されますが、、
あくまでも、これは 「どこのチームに所属しているのですか」の答えのようなものです。
あくまでも フィールドが 「保育ソーシャルワーカー」という場なのです。
それでは 「どこを守っているのですか?守備はどこですか?」
その質問に答えるように
僕は、
メンタル不調時の子育て支援を専門としています。
特に乳幼児期から学童期のこどもを持つメンタル不調を抱えた保護者の方のサポートです。
これが 僕の守っている守備位置です。
以前は、この守備は同じですが、所属チームが「保育ソーシャルワーカー」ではなく
「スクールソーシャルワーカー」だったこともあります。
では、「打順は 何番を打っているのですか?」
その質問に答えるかのように
最初は、医療機関がサポートをされていて、そこからの紹介で
僕のところにいらっしゃいます。
だから、僕のところは、そうした医療機関のサポート機能を果たしています。
こうやって 答えています。
「私は 野球選手です。」では、
相手には 伝わったようで 実は 何も伝わっていないのです。
「私は ソーシャルワーカーです。」 も同じです。
それだけでは 相手には 何をしている人なのかは 伝わらないのです。
「エレベーター・トーク」という言葉があります。
エレベーターが目的の階に着くまでの間に 相手に自分のことを伝える
数秒間で伝える プレゼンテーション・トークです。
僕は スタッフとエレベーターに一緒に乗ると
自分が どんなソーシャルワーカーなのかを説明してもらっています。
エレベーターの中だって 専門性を高めるトレーニングはできるのです。(げんき)
「プロフェッショナル」や「職人」と呼ばれる いわゆる「プロ」というのは
その専門性は、一つに絞り込まれています。 一つに絞り込むからこそ その存在が浮き上がってくるのです。