今年度の保育者研修は、
主任保育士の先生向けの研修を多数ご依頼頂いております。
先輩保育士の先生が 後輩の保育士の先生に 何を教えたらよいのか
大変難しい「テーマ」です。 みなさんが悩むところだと思います。
保育の現場に限らず、あらゆる職場には 先輩と後輩の関係があります。
先輩が、後輩を育てる。
そうした場面は、どの職場であっても見られるものです。
では、 後輩の「何」を育てたらいいのでしょうか。
知識をたくさん覚えてもらうこと。
失敗してもいいから経験を多く積んでもらうこと。
操作を何回もやって慣れてもらうこと。
一人で出来るようになって 自信を持ってもらうこと。
きっと、様々なものが あると思います。
僕は、その中でも 一番重要だと考えているものが あります。
それは「フィルター作り」です。
その後輩の中に「フィルター」が出来上がっているかどうか
それを質問しながら 確認しています。
新入社員の方や新人のみなさんは
早く一人前になりたい、、そうした強い想いを持っています。
不安もありますが、期待や希望も強く持っています。
だから、、何でも吸収しようとするのです。
言われたことは 何でも どんどん 吸収してしまうのです。
だから、もし 先輩が「それは違うんだけど」 そう伝えたとしたら
「いえ、、でも それは聞いていません、、」
となってしまうのです。
「フィルター」とは、その人の中での「価値観」のようなものです。
これは いらないと思う。
これは このやり方の方が良いと思う。
そうした 自分なりの「行動基準」(フィルター)が出来上がっているかどうか、
そこを 確認しています。
もちろん、その「行動基準」(フィルター)にも 間違いがあるかもしれません。
「なんで そうやったの?」
思わず、そう聞いてしまうようなことも あるかもしれません。
でも、そこで どうして そういう風に考えたのか?
なぜ そう対応したのか?
その人が なぜ そう考えたのか?
行動の良し悪しではなく、その人のこころの中で仕分けした
「行動基準」(フィルター)があるのか ないのか
そこが 大切なのです。
言われた通りに 出来たことも 大切です。
誰の手を借りずに 一人で出来るようになったことも 大切です。
でも、そこに 自分なりの「行動基準」(フィルター)がなければ
全くイレギュラーなことが発生すると
「言われていないから やっていません。。。」
そうなってしまうのです。
先輩の仕事は、後輩の中に「フィルターを作る」
そのお手伝いをすることです。
自分の中に 「フィルター」が出来上がると
吸収することよりも 実は、捨てなければならないことの方が多いこと。
そして、捨てることの方が 本当は大切なんだと
きっと 気づかれると思います。(げんき)
「なぜ そう考えたのか」 「なぜ そう行動したのか」 「なぜ そう感じたのか」
答えの内容ではなく、自分なりの基準があるのかないのか、そこをしっかりと確認しましょう。