「それは、あなたのためよ」
「それは、自分のためなんだぞ」
こどもたちに勉強するように促すとき
上司が部下に何か仕事を依頼するとき
こうした 言葉を 聞くことがあります。
伝えた側は もちろん その人のことを思い、愛情を込めて伝えているはずです。
きっと後で 役に立つ。
本心で「あなたのため」を考えてくれています。
でも、 伝えられた 本人は
「あなたのため」と言われると なぜだか 引いてしまうのです。
それは 「私のためじゃなく」「あなたのためでしょ」
そう感じてしまうのです。
実は、
「あなたのため」という「言葉」は 脳にはとても入りにくい「言葉」なのです。
『あなたのため』に 私が やらせて 頂きます」なら スムースです。
それは 喜びにつながりますが、
「あなたのために あなたが やりなさい」は
少なくとも 喜びには つながらないのです。
「自分のことは自分で決めます!」 と逆に思ってしまうのです。
「あなたのため」が届かない もうひとつの理由
それは「あなたのため」になった状態が 浮かばないからです。
自分のためになった「絵」が描けないのです。
「あなたのため」よりも
「わたしのため」に頑張って、「こどもたちのため」に頑張って、の方が
まだ「絵」が描きやすく、頑張る力になります。
それは、喜ぶ「笑顔」が浮かんでくるからです。
他人の喜ぶ姿は、自分の「目」で見ることができるので、容易に想像できるのですが、
自分が喜ぶ姿は、自分の「目」で見ることができないので、想像が難しいのです。
「あなたのため」という言葉は、とても簡単な わかりやすい表現ですが、
実は、使う時には非常に難しい「ことば」の一つなのです。(げんき)