学生の方から メールで質問を頂きました。
「保護者のニーズって 何ですか? わかりやすく教えてくれませんか?」
という内容でした。
「保護者のニーズ」
こうやって、文字に起こしてみると、簡単ですが、、本当はものすごく複雑なものです。
Q,「保育所における保護者のニーズ」って なんでしょうか?
Q, 保護者は、何を求めているのでしょうか?
こうした質問があったら、 おそらく こう答えるのではないでしょうか?
「こどもの世話をしてほしい」
「仕事に行っている間に、こどもを見てほしい」
「保護者が求めているのは、もちろん「保育」じゃないですか??」
こうした答えが返ってくると思います。
もちろん、間違ってはいません。
その通りです。
でも、、、本当に 望んでいること、本当に欲しいと思っているもの
それは、「もう一人の自分」なのです。
「あーー、もう一人 自分がいたらなあ・・」
「あー、もう一つ 身体があったらなあ・・」
これが、「本当の望み」 なのです。
よく、考えてみてください。
自分のこどもを見ることができる最高の人物は、「自分自身」。
わが子のことを一番わかっているのは、他でもない「保護者自身」です。
できるなら、こどもと一緒にいて、しっかりと関わりたい。。
でも、それは、わかっているけれど、、、現実的に 身体が2つあるわけではない、、
だから、私の代わりに「保育」をお願いしているのです。
研修でも よく、ドリル(穴をあける機械)のお話をするのですが、
ホームセンターで、「ドリル」を買う人は、何も「ドリル」が欲しいわけではありません。
「ドリル」のコレクターであれば、、別ですが、、。
欲しいのは、「穴」です。
「穴」が欲しいから、「ドリル」を買うのです。
「ドリル」が欲しいのではありません。
これが、本当の「ニーズ」です。
「保護者の本当のニーズ」とは、
実は、「保育そのもの」ではなく、「自分が望む子育て」なのです。
「自分だったら こうするので、保育所でも、こうやって欲しい」
「自分のこどもには、こういう子 に育って欲しい。
だから、こうした働きかけを園の中で、して欲しい」
これが、本当の「保護者のニーズ」になります。
ただ、、、すべてを その通りにすることが 難しいのが「現実」なのです。
それは、 他のこどもたちも いるから です。
すべての保護者のニーズを受け入れてしまうと、全体が機能しなくなります。
この「バランス」を取ることが、「保護者支援」では重要なのです。
園全体のことを考えながら、
保護者のニーズに応えていくこと。
保育者は、このバランス感覚を もっているのです。(げんき)