「緊張の蓄積期」という言葉があります。
これは、よくDV(ドメスティック・バイオレンス)のパターン を説明される際に
使われる 言葉 です。
DVの流れには、独特のパターン があると言われています。
①緊張の蓄積期
加害者は、イライラが高まり始め、被害者は「暴力が始まるのではないか」と不安が
高まる時期をいいます。
②暴力爆発期
緊張が高まり、ピークに達して爆発し、暴力が発生します。
③ハネムーン期
おおげさに謝るなど、急激にやさしくなります。
という 独特の流れです。
DVのご相談を受けている「支援者」の方から、 メールでご相談を頂きました。
「緊張が蓄積している時に相談を受けることが多いのですが、
そんな時には、どのようなアドバイスをしたらいいでしょうか?
ケースは様々あるかと思いますが、
先生なりのやり方やお考えをお聞かせください。」
という内容でした。
DVのご相談の場合に、被害を受けられている方からのご相談が多い時期は、
①緊張の蓄積期 だと思います。
でも、、、もっとも ご相談が少ないのも この時期だと思います。
「不安が高まっている」から、相談する。
「不安が高まっている」から、相談しない。
これは、表裏一体 です。
相談する人がいる。相談しない人がいる。 ではなく
「相談できる人が、相談しなくなる」 ということ です。
「表情」に表したり、表現して、ご相談にいらしてくれていた方が、
「表情」に表すことを避け、相談に行くことも避けるようになるのです。
このような状態になると、周囲が「気づくこと」が非常に難しくなります。
では、ご相談にいらした際には、どのようなアドバイスをしたらいいのか。
僕の場合ですが、、
「緊張が高まった」「不安が高まった」と感じた時には、
(それが自分なりの思い込みであってもかまいません。そう感じたら)
『必ず、連絡をする』ということを しっかりと約束することです。
この「約束」を必ず「セッティング(設定)」すること。
これは、相談を受ける上での「絶対条件」なのです。
DVというのは、チームでサポートする必要があります。
支援者が、1人で対応するような 簡単な問題ではないのです。
そのためには、「相談の入り口(窓口)」が 一番重要な役割 を担います。
不安を和らげること。緊張を和らげることも 大切です。
でも、、、一番大切なのは、緊張が高まる前に、
「連絡しなければ」と、、、
「約束」を思い出してもらえるかどうか なのです。(げんき)