最近、テレビでは、こどもたちへの親からの虐待のニュースが続いています。
そうした報道があると、居ても立っても居られない、、
何とかしたい。。自分も何かしたい。。
そうした想いを持たれる方も、たくさん いらっしゃるかと思います。
僕は、そうした悩みを抱えている保護者の方との面談を日常的に行っているので、
様々な機関から、対応方法についての問い合わせや意見を求められる機会も最近多くなり、
保育ソーシャルワーカーを目指す方からのご質問も大変多くなりました。
「保育ソーシャルワークを保育現場で活かすためには どうしたらいいでしょうか?
どうやったら、保育ソーシャルワーカーを配置できると思いますか??
是非、先生の考えを聞かせてください。」
一番多く頂くのは、やはりこのご質問です。
「どうやったら 活かすことができるか」
僕なりの考えですが、3つの視点 が大切だと 感じています。
① 保育者と2人三脚で進む姿勢。
② 動くための「明確な基準」を作る。
③ 結ぶことが自分の最大の役割だと自覚する。
この3つ です。
①保育者と2人三脚で進む姿勢。
僕が、保育現場で活動する際に、一番大事にしているものです。
「保育者の前に出ない」ということは、常に気を付けています。
よく、自らが保育者の前に出て、ぐいぐいと保育者を引っ張り、リードしようとする方がいらっしゃいます。
それは、僕らの間では、NG行為としています。
こどもたちとその保護者。
その方に一番近く、向かい合っているのは、保育者です。
そして、一番よく理解し、感じているのも、また保育者自身です。
よく、「保育の質が下がっている」という言葉から「保育者の質が下がっている」
そう、誤解されていますが、、たいていの保育者は、かなり優秀です。
「保育の質」を下げているのは、「システムの問題」です。
大切なのは、「保育者を信頼し、2人三脚で進む」姿勢なのです。
「保育者との信頼関係を築く」ことなくして、
保育ソーシャルワークが成立することなど、ありえないのです。
②動くための「明確な基準」を作ること。
よく、ソーシャルワーカーの方が、「基準が明確でないんです。。」と相談されます。
「関係機関との連携や対応についての基準が、ないので動けない」とのことです。
もちろん、児童相談所や関係機関には、「動くための明確な基準」はあると思います。
もし、自分たちにないのであれば、「すぐに作ること」です。
僕は、スタッフに 「出来るのを待たない」と常に伝えています。
「待っている間は、何もしていないのと同じ」だからです。
僕は、待つくらいであれば、先に 自分で「明確な基準」を作り、動くことを選びました。
動きながら、使いながら、どんどん手を加えていければいいのです。
変更するのに、毎回 集まって会議をして議論し、結論が出るまでに何か月もかかる。
その間に、「問題」は膨らみ続けるのです。
③結ぶことが最大の役割だと自覚する。
僕も、「保護者支援」の本の中で、図で描いてご紹介しましたが、
「ネックレスのようにつなぐ」
それが、最大の役割だと 自覚しています。
真珠のネックレスをつなぐように、丁寧に 一つずつ つないでいくのです。
「つなぐ」という言葉には、結構 「誤解」があるようですが、
「一つ、一つを 手で結ぶ」「結びつなげる」
そうしたイメージを描きがちですが、、
僕が描いているイメージは、「1本の糸に通していく」イメージです。
先に、「このこどもと保護者に、こうした形になって欲しい」
そうした「出来上がりのネックレス」の絵を描き、
そして、そのための方針である「1本の糸」を作る必要があるのです。
「糸」がなければ、通すことはできません。
「糸」が一番大切なのです。
「糸」ができたら、あとは、丁寧に 一つ一つを通していく。
同じ方向に、揃えていく。
これが、「ネックレスのようにつなぐ」 ということです。
この3つの視点をもって、保育者や地域と連携することができれば、
専門職として、かなり大きな力を発揮できると僕は考えています。 (げんき)