「こどものこころのサインに気づきましょう」
こうした言葉は、保育や教育など、こどもに関する講演や本の中でよく耳にする言葉です。
「こころのサイン」
これは、とても大切なものです。
僕は、もう1つ 研修や保護者との面談の中で お伝えしていることがあります。
それは、「こころのスイッチを作りましょう」 です。
「こころのサイン」と「こころのスイッチ」
なんだか 似たような感じの言葉ですが、この2つは「全く正反対のもの」です。
それは、「起こる前」と「起こった後」 だからです。
「サイン」というのは、基本的に「何かが起こった結果 表に現れたもの」です。
「サイン」が出る前には、「出来事」だったり、「感情の変化」があります。
「スイッチ」というのは、「出来事」や「感情の変化」を引き起こす「きっかけ」です。
「スイッチ」が入ってから、こうしたものは 起こります。
つまり、「起こる前」のものです。
これをまとめてみると
「スイッチ」→「出来事」や「感情の変化」→「サイン」 という流れになるのですが、
厳密に言えば、さらに異なる部分があります。
「スイッチ」→「プラスの出来事」や「プラスの感情の変化」
「マイナスの出来事」や「マイナスの感情の変化」→「サイン」 なのです。
こうして分けてみると わかるのですが、
「スイッチ」と「サイン」は、つながらないのです。
僕は、園などに入らせて頂く際に、目を向けているのは、
こどもたちの「プラスの感情」や「プラスの行動(積極性)」です。
セラピーの場でも同じです。
それを見つけて、それと違和感のない「スイッチ」をつなげていきます。
「感情」が「スイッチ」に固定されるようにします。
これを「アンカーリング」といいます。
「僕の仕事」は「スイッチを作る」こと です。
「プラスの感情」と「プラスの行動」に点火する「スイッチ」を作り出して使ってもらう。
「スイッチ」は、能動的に作るものです。
でも、「サイン」は他者が作ることができません。
「サイン」とは、自分自身も気づかない 意識しない「表現」だからです。
「こころのサインに気づきましょう」
この言葉の本当の意味は、
「こころのサインに気づかせてあげましょう」です。
その子が無意識に表現している「サイン」に気づかせてあげるのです。(げんき)