「元気先生、保育ソーシャルワーカーが地域の保護者支援を行う際に、
どのような視点をもって、どのような活動をしているのでしょうか?
是非、教えてください。」
昨日の研修会の中で、ご参加頂いた先生から、ご質問を頂きました。
「地域の保護者の支援」
これも 保育士の大切な役割の1つ になっています。
方法は、本当に様々あるかと思います。
「保育ソーシャルワーカー」としては、どう活動していけばいいのか。
そこも、人それぞれですが、
僕なりに決めていることが、1つ あります。
それは、
「地域の生活の場」とつながる。
「地域の生活の場」と信頼関係をつくる。
ということです。
例えば、ランチを食べるカフェや食事をする場所だったり、
美容室や花屋さん、雑貨屋さんだったり、スポーツジムだったり、
八百屋さんでも、肉屋さんでも、居酒屋でもいいですし、バーでもいいです。
自分が、生活している場の中で、その店のオーナーさんや店員さんと仲良くなる。
信頼関係を作ること。 それもSNS上ではなく、対面でです。
無理に広げる必要はないのですが、自分が心地よく過ごす場所などでは、
できる限り、信頼関係を築くようにしています。
それは、なぜか
「孤立した保護者」は、地域の保護者とは、つながらなくても
「地域の生活の場」とは、つながっている可能性が高いから です。
今は、マンションなどでも、隣に住んでいる人や上に住んでいる人が
どんな人か、わからないことも珍しくありません。
1人で子育てをしている人が、いるかもしれません。
同居している人と3人で暮らしている方も いるかもしれません。
あまり地域と関わりたくない。 そう思っている人も少なくないはずです。
そうした方が、地域の保護者とつながったり、子育て支援の場所にいったり、
保育所に自ら「つながり」を求めて出かけるでしょうか?
僕には、なかなか そうは思えません。
でも、『地域の誰か』とは、必ずつながっているはずです。
それは、ショップだったり、雑貨屋さんだったり、美容室だったり
ネイルサロンだったり、 そこでは その方なりの「人間関係」を作り
きっと、ちょっとした困りごとを 相談したりしていると思うのです。
だからこそ、そうした「地域の生活の場」のオーナーさんや店員さんとつながることで、
「そうなん。いい人紹介しようか。助けてくれると思うよ。」
そうやって話の中で話題に出してもらったり、何かのきっかけでお会いするチャンスが生まれたり、
僕はそうした「出会い」の経験をかなり多く持っています。
いったい「誰の紹介なのか」
実は、「そこが」大事なのです。
高校の時の先輩だったり、お店のオーナーだったり、気心が知れている方に対して
「信頼」を持っている方が、どちらかと言えば多く、
信頼のおける方からの紹介であれば、容易につながりを持つことができます。
「権威」や「肩書」よりも「信頼」を大切にしているからです。
学校現場での活動の中でも、
行政や福祉機関、教育委員会が、何度尋ねても接触できず、応答もなく門前払いとなっている家庭に
僕が同行させてもらったら、マンションの玄関扉を大きく開けて、
「元気先生どうしたんですか??」と笑顔で出てきてもらった経験も数多くあります。
それは、なぜか。
「信頼できる方」からの紹介で「生活の場」でつながっているからです。
保育所で会うよりも、小学校で会うよりも、
ずっと その前に、すでに地域で出会っているのです。
他の方のやり方は、どうやっているのかは 正直わからないのですが、
僕は「地域の生活の場」を通じて、自分なりの支援の入り口を作っています。(げんき)
相談するまでの気持ちの流れは以下の通りです。
①知らない人には相談しない。
②好きでなくてもいいが、嫌いではないが絶対条件。(嫌な人には相談しない)
③相手のことが理解できる。理解できる人からの紹介でないと相談しない。
ここまでの条件がそろって初めて「相談する価値」を決めているのです。