その842)「メンタル不調時の子育て支援」とは「優先順位の変更」なのです。

 

 

先週、「保護者支援」の研修の中で、ご参加頂いた先生から

 

 

「メンタル不調になっている保護者に対して、保育士ができるサポートは、どんなものがありますか?」

 

 

というご質問を頂きました。

 

 

 

 

保育士の先生ができる「サポート」

 

周囲のご家族ができる「サポート」

 

 

 

その中で一番 大切なもの。

 

 

 

それは「優先順位を変える」サポート です。

 

 

 

これは、何も保護者に限ったことではありません。

 

それは誰の場合でも、同じです。

 

 

 

「メンタル面での不調」を抱えた時に、必ずやらなければならないことが、

 

「優先順位の変更」なのです。

 

 

 

 

子育て中の保護者の方の場合だったら、

 

 

今までの家事ができないこともあります。 

 

母乳育児中であれば、それができないこともあります。

 

 

「今までできていたけど、今できないこと」が発生するのです。

 

 

 

そうすると、「できない自分」がみるみるうちに 自分を苦しめ始めます。

 

「完全な母親」ではなくなった、「理想の母親」ではなくなった、、、、

 

とても大きな悲しみと自分への失望が生まれます。

 

 

 

周囲からしてみると、そう大したことではない、そう感じることであっても

 

 

「今できない自分」に対する喪失感や悲しみは、とても大きなものです。

 

 

 

 

人は、誰でもそうですが、「状況」に応じて「選択肢」を変えるものです。

 

 

 

仕事が忙しければ、今は家庭のことではなく、「仕事」に集中する。

 

「子育て」が今大事であれば、「仕事」を早く切り上げ、子育てに集中する。

 

 

そうやって、切り抜けていきます。

 

 

 

「メンタル面で調子が悪い」のであれば、今は「負担を減らすこと」が最優先 です。

 

 

 

 

保育者が、保護者にアドバイスできることは、やはり「保育」に関わるものです。

 

 

家庭でできる「こどもへのかかわり方」の優先順位の変更をサポートし、

 

園が、保護者に対して「お願いしていること」の優先順位の変更をサポートすることです。

 

 

 

 

頭ごなしに、「今は無理でしょ」と伝えるのでは もちろんありません。

 

 

 

そうではなく、「今は、このやり方でいいですよ」と判断の後押しを手伝うこと。

 

 

それが、一番大切な「保育者ができる支援」なのです。(げんき)