その850)「DV」も「虐待」も「トラブル」も3つのものをどうコントロールするかが「鍵」

 

 

昨日、保育者研修会の中で ご質問をいただきました。

 

 

「先生、最近 ニュースで、DVだったり、虐待だったり、そうしたニュースが

 

ほとんど毎日あるじゃないですか? 今、園では そうしたケースはないですが、

 

やはり起こる可能性というのは あるのでしょうか?」

 

 

という内容です。

 

 

最近では、「虐待事案」も 保育者だったり、先生だったり、保護者に限らないものも増えてきました。

 

 

 

可能性は、もちろん 0ではありません。

 

それは、どの園だからということではなく 誰にでも可能性はあるから です。

 

 

 

 

基本的に DVも虐待も、人間関係トラブルやパワーハラスメントであっても、

 

3つのもの が必ず関連します。

 

 

① 衝動性(速さ)

 

② 抑制力(抑える力)

 

③ 罪悪感(正当性)

 

 

 

この3つです。

 

 

①衝動性は、スピード。速さです。 易怒性や易刺激性のように 

 

カッとなりやすかったり、刺激に反応しやすかたり、そのスピードです。

 

 

 

②抑制力は、抑える力。我慢する力です。

 

たった数秒でもいいので、自分の感情を抑制することができるかどうか です。

 

 

 

③罪悪感は、正当性とほぼ同じです。

 

罪の意識や反省があるかと、自分自身を正当化して、理由をつけること。これは同じです。

 

自分は悪くない。自分は正しいのだという意識です。

 

 

 

 

この3つです。

 

 

 

僕は、企業内での「ハラスメント」の相談対応や、医療現場でこうした方への支援チームにも参加していますが、

 

基本は、この3つが 深く関わっています。

 

 

 

 

この3つは、何も特別なものではなく、

 

どんな関係や、どんな組織であっても よく見られるものです。

 

 

 

この3つを どうコントロールするかが、「鍵」になります。

 

 

 

この3つをコントロールできれば、そうしたものが発生すること自体が困難になります。

 

 

 

では、どうやって この3つをコントロールするか。

 

 

基本は、この3つを 一度 意識してもらう。

 

 

「学ぶこと」が一番最初に行わなければならない 大事なステップです。

 

 

まずは、その内容を知る、理解することが 最優先事項です。

 

 

 

 

でも、、実際に 暴力をふるう人に学ばせることは困難です。

 

 

DVの加害者や、虐待の加害者、パワハラの当事者に、これを「ご説明しますよ」と言っても

 

それは、、「なんだ、おまえ!!」となってしまいます。

 

 

 

「説明すること」は、まず不可能です。

 

 

 

では、どうするか。

 

 

 

それは、被害を受けている方と協力して、「環境」を整えるしかありません。

 

 

 

 

まず、被害を受けている方に、この3つをご説明し、理解してもらい、

 

それを「環境調整」で解決していくのです。

 

 

 

「環境調整」とは、

 

 

「時間」「空間」「関係」「ことば」「動作」「しぐさ」「タイミング」「表情」

 

など、あらゆるものを調整する技術です。

 

 

もちろん、すべてではなく、その方と当事者に関係する、もっとも影響力のあるものを

 

1つ1つ調べて調整していく、かなり難しい技術になります。

 

(環境調整という言葉はよく耳にするのですが、実はかなり難しい技術なのです。)

 

 

 

「環境調整」によって、

 

① 衝動性(速さ)を改善し、

② 抑制力(抑える力)を改善し、

③ 罪悪感(正当性)をコントロールする

 

 

僕は、こうした方法をとっています。

 

 

2020年度から「保育者研修」では、さらに専門的な研修内容を追加いたします。

 

その中で、この3つの「環境調整」もお伝えする予定です。(げんき)