その852)「学童保育」と「幼児保育」は、似ているようで全くの『別物』なのです。

 

 

先日、長崎で、学童保育指導者研修会がありました。

 

 

ご参加頂いた先生とのお話の中で、

 

「保育士の資格を持った方が応募されて、いざ勤務されると なかなか続かないです。」

 

「すぐに辞めてしまうんです。」

 

 

そうお話されていらっしゃいました。

 

 

 

 

 

実は、それは、その方の能力とか、実力というわけではありません。

 

 

それは、「学童期」と「幼児期」のこころの動きの違い があるからです。

 

 

 

 

 

資格があるなしとかではなく、

 

 

「学童期のこども」をみて、「幼児期のこども」をみるのと

 

「幼児期のこども」をみて、「学童期のこども」をみるのは、

 

 

全く 異なります。

 

 

 

保育者の心的負担度は、後者の方がはるかに高いのです。

 

 

 

 

理由は、簡単です。

 

 

それは、こどもたちの「こころ」が成長しているからです。

 

 

僕がよく研修で使う貼りものでいえば、「認知」「感情」「行動」の「認知」が成長しているのです。

 

 

でも、成長というのは、すべてが 前向きなものではありません。

 

 

 

「成長」するということは、自らの考えや意思が強化されるということです。

 

 

そうすると、反論したり、言い返したり、無視したり、文句をいったり

 

そうした「気持ち」を形として表現することができます。

 

 

 

 

もちろん、幼児期でも それはあります。

 

 

ただ、その量と質、そしてエネルギーは、「学童期」になると 比べ物にならないのです。

 

 

 

そのエネルギーに圧倒され、幼児期のこどもたちとあまりに違うため、

 

自信をなくして、退職してしまうのです。 あまりに違いすぎるからです。

 

 

 

 

 

 

「保育者向け研修」と「学童保育指導者向け研修」

 

 

 

この2つの研修。 1つだけ 追加される内容 があります。

 

 

 

それは、「感情コントロール技術」 です。

 

 

 

「自分の感情」を流すことができる方法 を学ぶこと です。

 

 

 

 

カッとなってしまう。思わず、こどもに対してムカッとしてしまうこと。

 

この感情は、間違いなく 発生します。

 

 

 

「いや、私はまったく起こらないです」といわれる方には、

 

 

万が一爆発した際のエネルギーは、強烈になるので、なるべく注意してもらっています。

 

 

 

 

自分の感情を理解し、その時のこどもたちの感情を理解し、共有する。

 

そして流せる技術。感情の波にのまれない技術が必要になるのです。

 

 

 

この点をおさえておかなければ、どんなに研修を受けても

 

また 日々の悶々とした「保育業務」が続いてしまいます。

 

 

 

「幼児期の保育」と「学童期の保育」。

 

 

この2つは、1つの流れとして「連続性」をもっています。

 

 

まるで、「海」のようなもの です。

 

 

 

 

 

「海」は、穏やかな波の日もあれば、台風時のように荒れた波の日もあります。

 

 

でも、 それは 同じ1つの「海」です。

 

 

 

サーフィンのように、うまく波に乗ることができれば、

 

これほど 楽しい経験はないのです。(げんき)