「保育」という現場は、「ストレス耐性」を強くする稀な職場 です。
「ストレス耐性」とは、ストレスに耐えうる力 です。
それを「強化する」ことができる職場である ということです。
その理由は 簡単です。
一般的な「ストレスを解消する方法」が、すべてそろっているからです。
☆「歌うこと」は、こころの浄化作用があります。
☆常に「笑顔」と「笑い」があふれる環境にあります。
☆小刻みに「有酸素運動」を行い、常に 身体を動かしています。
☆癒される「存在」に常に囲まれています。
こうしたものは、通常「ストレス」を解消するために使うものです。
これが、すべて 「業務」の中にあふれている環境。
こうした場にいれば、通常「ストレス耐性」は強くなるはず なのです。
でも、実際は、かなり「大きなストレス」を抱えています。
それは、人が心身共に疲労してしまう条件もまた すべて揃っているからです。
★常に「注意」をしておかなければならない。
★常に「危険」に注意し、「安全」にこころがけなければならない。
★責任が重大である。
★ギリギリの人で回さなければならない。
★こどもたちに関する心配ごとや不安も多い。
★人間関係が複雑なことも多い。
★休憩時間が取れない。気分転換をする時間も場所も取れない。
★休みがとれない。長時間労働である。
★身体的な疲労がとれない。常に身体の一部に負荷がかかっている。
★常に大量の業務に追われている。
★待遇・処遇面で 十分ではない。
これだけの「ストレス要因」がある「職場」なのです。
これだけの要因があれば、通常であれば 人は壊れてしまいます。
でも、それでも 笑顔でがんばることができるのは、
「ストレス耐性を強くするもの」 > 「ストレス要因」
が 多少、上回っているからです。 もちろん、多少 です。
この大きな「ストレス要因」を保育現場では、出来る限り解消できるように
管理者や園長先生、さまざまな人たちが、一生懸命に努力しています。
みんな このことを わかっているからです。
誰もが「このままではいけない。」そう思い、今できることを探しながら、
一生懸命に、この負担を減らそうと努力しています。
それが、「保育の現場」 です。
「保護者支援」や「気になる子の支援」
僕自身は、そうした研修の機会をたくさん頂いていますが、
一番ベースにある考えは、「保育者支援」です。
「保育者を支援したい」という想いがあって、
はじめて「保護者支援」や「こどもたちの支援」を伝えることができるのです。
この3つは、すべてセットになっている 切り離せないものだからです。
「支援」というのは、
●「元気や勇気を与えるもの」なのか、それとも
●「負担や障害を減らすもの」なのか
そのどちらか です。
自分は、そのどちら側にいるのか、それを自覚することが
「支援者」が一番最初に考えなければならないもの なのです。(げんき)