よく、教科書やテキストなどに「共感が大切です」と書かれています。
研修などでも「共感って、なんですか?」と質問してみると
大半の方は、
「相手のこころに寄り添うこと」「相手の気持ちに寄り添うこと」
という答えが返ってきます。
その通りです。
では、「共感」して なに発見するのですか?
さらに 質問してみると、それ以上の答えが返ってくることは あまりありません。
実は、「共感」とは かなり難しいもの なのです。
それは、「目的」を持っておこなう「思考プロセス」 のことだからです。
「共感」する項目というのは、4つあります。
「思考」「感情」「言葉」「行動」 この4つです。
どんな風に考えているのだろう。なぜ、そんな思いがあるのだろう。
どんな感情が生まれているのだろう。なぜ そんな感情を持っているのだろう。
どんなことを言っているのだろう。なぜ、その言葉で表現したのだろう。
どんなことを行ったのだろう。 なぜ、その行動に出たのだろう。
この4つについて、相手の気持ちになって考えます。
そこには「評価」は不要です。良いも悪いもないのです。
この4つに分解して考え、想像していくと
「あること」に気づきます。
それは、「矛盾点」です。
なぜ こんな風に考えたのに、こんな「言葉」で表現したんだろう。
なぜ こんなことを言っているのに、この「行動」になるんだろう。
なぜ、こんな気持ちがあるのに、何も表現しないんだろう。
「思考」「感情」「言葉」「行動」
それぞれを考えていくと、
つながりが見つからない。 意外な点。 なかなか想像できないようなこと。
そうした「矛盾」が見つかるのです。
それが「その人」の「本当の思い」です。
そして、その矛盾を掘り下げて考えていく中で、「気づいたこと」「感じたこと」があると
「そうなんだ!だからなんだね!」という、そんな発見があります。
腑に落ちる瞬間 です。
これが「共感」なのです。
人の話を聞いて「うん、うん、わかる、わかる、それ!、」は、「共感」ではないのです。
「いや、わからないよな、その気持ち、、」
それをさらに「なんでだろう」と考え、掘り下げていくと、
きっと「あー、そっか、そういう思いだったんだね」に気づき、
納得する、腑に落ちる瞬間がある。 それが「共感」です。
「よくわからない」から「共感」が生まれるのです。(げんき)