その879)「何を」と「どのように」は、明確にしておくことが大切です。

 

 

「面談中に話を聴く際に、どういう点に注意をしたらいいでしょうか?」

 

 

カウンセラーやセラピスト、ソーシャルワーカーの先生からよく頂く質問の1つです。

 

 

 

相談の中に出てくる話を構成しているものは、大きく分けると2つになります。

 

 

1つは、「何をしたらいいか」

 

もう1つは、「どのようにしたらいいか」

 

この2つ です。

 

 

 

「何をしたらいいのか」わからない。(やること)

 

「どのようにしたらいいのか」わからない。(方法)

 

 

 

大きく分けると、この2つになります。

 

 

 

 

よく、面談技術の中で、「傾聴」について書かれています。

 

 

相手の気持ちを察しながら、うなづいたり、表情を読み取りながら聴いたり、

 

もちろん、大切なことです。

 

 

 

ただ、「聴き方」ばかりに集中しすぎて、話の内容がずれている。

 

そんな「面談」をよく見かけることもあります。

 

 

 

相手は、「どのようにしたらいいのか」を尋ねているのに、

 

聴く側が、「何をしたらいいのか」を力説している。

 

 

 

「質問」と「返答」が異なっているケースです。

 

 

 

「何をしたらいいのかは、わかっています。

 

ただ、どのようにしたらいいのかが わからないから質問しているのです。」

 

 

相手のこころの中では、きっと そんな思いが浮かんでいるはずです。

 

 

 

 

 

こうした「ズレ」が起こりやすいのは、

 

 

相手から質問された「どのように」の答えが浮かばないから、

 

とっさに「何を」が出てしまう。

 

 

こちらに「答え」が準備されていない時 です。

 

 

 

でも、返答しなければならない、だからとっさに「何を」を解説してしまう。

 

そういう時に起こりやすいのです。

 

 

 

 

「どのように」 その方法がわからない時には、

 

「どのようにしたらいいのかは、すぐには思い浮かばないのですが」

 

そう答えたらいいのです。

 

 

 

 

その方が、あらためて「何を」を説明されるより、より信頼感は増します。

 

 

 

「面談」で大切なのは、「素直に聴き、素直に答えること」です。

 

 

 

「こちらは、専門家なんだ。」 

 

 

そう思った瞬間から、「面談」は「解説の場」に変わってしまいます。

 

 

 

 

「面談」で緊張しているのは、実は「聴く側」なのです。(げんき)