その882)「学童保育」と「保育所の保育」の違いを教えてください。

 

 

先日の学童保育者研修の中で、もう1つ 大事な質問がありました。

 

 

「学童の保育と保育所の保育の違い,指導者の心構えがあれば是非教えてください」

 

 

という内容です。

 

 

 

「学童期の保育」と「保育所での保育」

 

 

「年齢」と「成長スピード」という違いは、ありますが、

 

もう1つ 大きな 「違い」があります。

 

 

 

 

それは、「サードプレイス」ということです。

 

第3の場所 です。

 

 

 

保育所のこどもたちにとっての生活の場は、「家庭」と「保育所」の2つです。

 

 

 

では、学童に通うこどもたちは、どうでしょうか?

 

「家庭」と「学校」と「学童」 この3つになります。

 

 

 

もちろん、習い事をしているなど 4つも5つもある子もいるかもしれませんが、

 

ここでは、大きく分けた「生活の場」という括りで考えてみます。

 

 

 

「生活の場」が2つあるということは、

 

その2つの「場」を使い分けることも あります。

 

自分なりに「バランス」を取る必要があるのです。

 

 

 

では、「生活の場」が3つあるということは、どうなるのか。

 

もちろん、その3つの「場」を使い分け、「バランス」を取っているのです。

 

 

 

 

大人もそうです。

 

「家庭」と「職場」でバランスを取り、そこに「趣味の場」を加えたりして

 

気持ちを使い分け、心身のバランスを取っています。

 

 

 

学童期のこどもたちは、「家庭」と「学校」と「学童」で自ら「バランス」を取っています。

 

 

 

もし、この3つのどこかで「不安」や「問題」があったとしたら、

 

それを、この3つのどこかの「場」で「バランス」を取って解消するのです。

 

 

 

それは、時に「トラブル」となって表面化することもあります。

 

 

 

 

「家庭」の不安が、「学校」でのトラブルとして 表面化したり、

 

「学校」の問題が、「学童」でのトラブルとして 表面化する。

 

そうしたことは、日常茶飯事 なのです。

 

 

 

 

2つの「場」と3つの「場」の違いは、

 

その「不安」や「問題」の原因となるものが、わかりにくくなる ということです。

 

 

 

 

「学童」内でトラブルがあったからといって、

 

それが「学童」での「問題」とは限らないのです。

 

 

 

 

「トラブル」とは、「バランス」を取るための「行為」です。

 

 

 

抱えている「心配ごと」や「不安」の「バランス」を取る大切な行為なのです。

 

 

 

そのことを理解した上で、この子が どのように「バランス」を取っているのかを

 

感じ、見守ることが、「学童保育」の指導者の心構えになります。

 

 

 

 

「トラブル」は、「問題」ではありません。

 

 

「バランス」を取る「行為」です。

 

 

 

先生は、今 この子が、何の「バランス」を取っていると思いますか??

 

 

「それ」を感じ、気づくことができると「保育」は面白くなるのです。(げんき)