「言葉がけが、うまい先生というのは、どんな先生でしょうか?」
「言葉がけ」についてご質問のメールを頂きました。
みなさんは、どう思いますか?
きっと、みなさんの園にも そんな「言葉がけ」が上手な先生がいらっしゃると思います。
そもそも 「言葉がけ」というのは、どんな目的で行うのでしょうか?
答えは、とてもシンプルです。
「相手に行動を起こしてもらう」そのために行う「働きかけ」です。
「行動」というのは、何も 身体を動かす「行動」だけでなく、
こころの中で想像したり、考えたり、心理的な「行動」も含まれます。
相手の言葉に感じて、動き出す。
まさに「感動」です。
以前、ブログ記事の その292 でも書かせて頂いたのですが、
「言葉がけ」と「ことばがけ」は、全く違うものです。
「ことばがけ」とは、相手に「イメージ」を生み出させるものです。
例えば、小学校2年生のクラスの担任の先生がいたとします。
このクラスには、とても かわいい女の子がいて、たくさんの男の子が気になっています。
ある時、先生がふと お昼休みの教室で
「●●(その女の子)は、サッカーが好きみたいだね」 そうつぶやいたとします。
すると 翌日から、お昼休みに教室で遊んでいた何人かの男の子は、外で サッカーをはじめました。
もう1つ別のお話を。
ある園の園長先生が、保護者が集まる場で こういいました。
「うちの園では、おやつは 一つ一つ 手作り です。」
すると、保護者は、みんな
「他の園は、おやつは 手作りではないんだ」 そう感じるはずです。
「おやつは、一つ一つ 手作り です。」 だと
「おやつは、手作りなんだ。結構 先生は大変だな」そう感じるかもしれません。
たった1つの「言葉」が加わることで、
「メッセージ」は、全く異なるものになります。
それでは、ご質問頂いた「言葉がけ」がうまい先生とは どんな先生ですか?ですが、
「相手にイメージさせるもの」を分かって、話しているかどうか です。
自分が相手に何か「言葉」をかけると
その「言葉」から、相手が どんな「イメージ」を描くのか
それを分かっている のです。
もっといえば、相手が「イメージ」を描いた後に行う「行動」も見えています。
まさに「ことばがけ」 になります。
もう1つ 特徴的な点があるとしたら、「行動」を前提にしていることです。
「本は、読み終わったら 元の場所に戻そうね。」
これは、「本を読む」ということが前提の言葉がけ です。
まだ本人は読むかどうかも わからないのに、 先にそれを言われると
「元の場所に戻す」というイメージが残ってしまうので、本を読んでしまいます。
「開封後は、お早めにお召し上がりください」も同じです。
まだ買うかどうかも わからないのに、先にそれを言われると
「お早めにお召し上がりください」というイメージが残ってしまうので、
思わず、商品を手にとってしまうのです。
これは、よく CMや広告で使わる「手法」です。
「相手」が、どんな「イメージ」を描くだろうか
そう考えるためには、そこには「相手への想い」が必要になります。
「言葉」に「想い」が加わると、「ことば」に変わるのです。(げんき)