僕が実施をしている「保育者研修」の内容は、様々です。
メインは、「保護者支援」と「こどもたちの支援」ですが、「保育ソーシャルワーク」「保育者向けメンタルヘルス研修」「学童保育指導員のための保育研修」などがあります。
「保育者研修」の目的とは、いったい何でしょうか?
もし、こう質問されたら、皆さんなら どう答えますか?
「知識を学び、現場で活かすことです。」
「保育者の能力を高め、園全体で、その学びを共有することです。」
いろんな答えが きっと返ってくると思います。
参加する先生の目的は、人それぞれ です。
だから、どれもが「正解」です。
参加される先生 ご自身が、今日は これを学んで帰りたい。
そう思ったことを手に入れることが 「目的」だから です。
では、講師の側の「目的」とは、いったい何でしょうか?
どういう「目的」を持って、何を感じてもらいたい。
どういう風になってもらいたい。
「何」を思っているのでしょうか?
他の講師の先生の「目的」は、僕にはわかりません。
でも、自分自身の「研修の目的」は、もちろん あります。
それは、「自分への感度をあげる」ということです。
「自分に対するセンサーのスイッチをONにする」
これが「保育者研修の目的」です。
自分自身を好きになり、自分自身に興味を持ってもらうこと。
これが「本当の目的」なのです。
どんな研修でも、そこでは「知識」や「ノウハウ」を学ぶことができます。
研修会場では「なるほど!」と思って、やる気を持って 園に戻っても、
ほとんどの場合、他の先生と共有したり 学んだものを活かしたり、
そうした「活かすための行動」には、つながりにくいものです。
でも、それは、受講した先生の「能力の問題」では、ありません。
1人の先生が受講して、それを「園全体」で共有するということは、
それだけ難しいことなのです。
僕は、研修の2時間を通して、先生方に
自分自身が「無意識」に行っている保育が、どれだけ重要であり、
どれだけ こどもたちや保護者に影響を与えているかを お話ししています。
メッセージは、「今のままのやり方でいいよ」 です。
そして、明確な「根拠」と未来につながる「方法」をお話ししています。
それをお伝えすると、先生方の中には、大きな自信が生まれます。
そうすると、「自分自身の保育」に敏感になるのです。
これが「自分への感度をあげる」ということ。
「自分に対するセンサーのスイッチをONにする」ということです。
1人の先生の「感度」があがり、自分センサーのスイッチがONになると、周囲に大きな影響を与え始めます。
それは、周囲に伝わり、伝染しはじめるのです。
これが「園内共有」の始まりです。
「自分自身を好きになり、自分自身に興味を持つこと」
これが「研修」の本当の目的なのです。(げんき)