「相談支援」には、1つ 大きな原則があります。
それは「知らない人には、相談しない」「知らない人だから、相談する」
という2つの相反するものです。
私の事を知らない、そうした人には「相談」できない。そう人もいれば、
私の事を知らないからこそ、「相談したい」という人もいる のです。
この2つの「相談」を、人は うまく使い分けることができます。
「もっと 私の事を知って欲しい」相談もあれば、
「私の事は知らなくてもいいので、この事だけを教えて欲しい」匿名相談もあるのです。
では、「保育相談支援」とは、どちらの意味を持つのでしょうか?
みなさんは、どちらだと思いますか?
まず、大前提として「匿名」ではない、知っている関係 です。
「保育相談支援」とは「知っている先生への相談」になります。
「保育相談支援」や「保育ソーシャルワーク」の研修には 実は、
「保育者に行う研修」。もう1つは「相談支援職に行う研修」の2種類があります。
後者は、「相談支援員」や「ソーシャルワーカー」が対象となります。
「相談支援職」に相談する「相談」とは、いったい どういうものが多いのか。
それは「私の事は知らなくてもいいので、この事だけを教えて欲しい」匿名相談 です。
もちろん、ご相談者やご相談内容にもよりますが。
よく「相談支援職」向けの「保育相談支援」研修で、
「できる限り、保護者との関係を築きたいと思い、色々と先生や園を通じて
アプローチしているのですが、なかなか信頼関係がないのか、相談は少ないです。」
といった悩みを伺うことがあります。
それは「立ち位置」が違うからです。
「保育者」が行う「相談支援」と「相談支援職」が行う「相談支援」は、
そもそも 役割も意味も異なるものです。
「相談支援員だから、ソーシャルワーカーだから保護者が相談する」とは限らないのです。
「知らない人には、相談しない」 「知らない人だから、相談する」
この2つの意味を最初に理解することが、研修で一番最初に行う「ワーク」です。
「相談支援」の大原則を理解していないと、
常に「相談があまりないんです」と悩んでしまうのです。(げんき)