その905)専門職は「具体的で定量的に評価できる」ものさしを持っているのです。

 

 

 

昨日の相談支援研修会の中で、大変面白いご質問を頂きました。

 

 

「元気先生、質問があるのですが、「人が誰かに相談する」というのは、

 

『友達や家族に相談する場合』と『専門職に相談する場合』と2種類あると思うのですが、

 

 

「専門職がくれる助言」と「友達や家族がくれる助言」って

 

そもそも その内容って そんなに大きな違いがあるのでしょうか? 

 

「専門職がくれる助言」には「プロならではの何か凄い助言」があるのでしょうか?」

 

 

というご質問内容でした。

 

 

 

 

この質問。とてもシンプルで率直だなあと感心しました。

 

「プロの相談支援」には、何か特別なテクニックが あるのですか?

 

ということですね。

 

 

 

友達や家族でも、非常に適切な支援や助言ができる人もいらっしゃいます。

 

また、相談援助職であっても、まだ経験が少なく戸惑う方もいらっしゃいます。

 

 

 

どちらだから、どうこうというのは、ありません。

 

よくその違いを「傾聴技術」や「受容的な態度」で表現することがありますが、

 

そうしたものを学ばなくとも、無意識のうちに理解している「友人や家族」もいます。

 

そうした「技術」や「態度」をもともと持っている人はいます。

 

 『聴く技術や態度』はその方の性格や気質に大きく左右される要素です。

 

 

 

「専門職」が行う「相談支援」には、

 

実は『型』のようなものがあるのです。

 

 

 

それは「具体的で定量的に評価できる」基準があるかどうか ということです。

 

 

 

 

 

現在行っている「支援」が うまくいっているのか どうか

 

きちんとした「改善」や「良い方向」へ向かっているのか どうか

 

その基準が「具体的で定量的に評価できる」かどうか ということです。

 

 

 

専門職は、「支援の ものさし」を 必ず持っている のです。

 

 

 

だいたい できるようになりましたね。

 

ずいぶん よくなりましたね。

 

前よりも 元気になった気がしますね。

 

 

では、ないということです。

 

 

 

もちろん、そのように相手の方に「言葉」でお伝えすることはあります。

 

 

ただ、自分のこころの中、頭の中では、

 

 

「毎朝 7時に起床。30分以内準備ができるようになった」

 

「20時以降スマホを見る回数が、3回以内に収まった」

 

「1つの遊びに集中できる時間が、10分を超えるようになった」

 

「先週まで1回だけだったけど、今週から3回できるようになった」

 

 

そうした「具体的で定量的に評価できる」ものさしを使って

 

「支援全体」を把握しているのです。

 

 

 

もちろん、ご本人を評価する際に「そのこと」を伝えることも あります。

 

伝えてあげることで、「自分が良くなっていること」を具体的にイメージでき、

 

また「意志」を強化することができるからです。

 

 

 

 

専門職だから、家族や友人だから

 

「傾聴の技術」「受容的な態度」を理解しているからではなく、

 

「見えないもの」を「見える化」して伝える力があるかどうか

 

実は、「そこ」が 一番大事なのです。

 

 

 

「見えないもの」を「見える化」するちから とは

 

「難しいこと」を「簡単」に表現する ちから。

 

 わかりやすく表現する力 です。

 

 

 

だから、保育者は「相談支援」に向いているのです。(げんき)