職場で簡単にできる「園内研修」の作り方(その2)をご紹介いたします。
前回お話をさせて頂いたのは、「職員間の理解」を深めるでした。
今回も「理解を深める」がテーマですが、「深める」のは「業務について」です。
研修のやり方は、最初に「質問用紙」を配布し、5分くらいで回答し、グループで発表する簡単なワークです。
普段、普通に使っている「言葉」。 無意識に使っている「言葉」。
その「言葉」の意味や定義をはっきりさせて「共通理解を深める」が研修です。
様々、先生方だけで出来る「園内研修」をご提案した中で、園長先生から
もっとも「終わった後の効果」が高かったと好評だったのが、この「研修内容」です。
例えば
●こどもの気持ちに立つ。
●保護者の期待に応える。
●リーダーとしての自覚。
●安全を徹底する
●衛生管理する
●保護者支援とは
無意識に 会議や打ち合わせの中で 出てくる「言葉」
こうした「言葉」というのは、ほとんどの場合、「周囲」が話しているのを耳にしてなんとなく 自分自身の中に その言葉が入ってきて、本当の意味を理解することもなく使っていることが多いのではないでしょうか?
「同じ表現」を使っている。
でも、その意味は 人によって「若干異なる」
そうしたことは、組織や集団の中では、よくあることです。
この「言葉」の意味や定義をはっきりさせ 共通理解することが 目的です。
まず、A4用紙の紙に お題を3つ 用意します。
例えば、先ほどの
①こどもの気持ちに立つとは。
②保護者の期待に応えるとは。
③リーダーとしての自覚とは。
この3つだったとします。
その各お題の下には、4つの質問項目があります。
■何(What)?
■なぜ(Why)?
■いつ(When)?
■誰(Who)? の4つです。
それぞれのお題について、この4つを それぞれの先生に書いてもらいます。
■何(What)?とは、 そもそも それって「何」なの? どういうこと?を短く1行で書きます。
■なぜ(Why)? それって 「なぜ」必要なの? 何のため?を短く1行で書きます。
■いつ(When)? それって「いつ」やるの? 「いつ」やるのがいいの?を短く1行で書きます。
■誰(Who)? それは「誰」がやるの?「誰」がやったら効果的なの?を短く1行で書きます。
「3つのお題」について、「4つの質問」に答える。
回答時間は、5分でも10分でも構いません。 この紙には「氏名」は書きません。
それを「職員」に配り、そして 回答してもらった後に、
その解答した紙を シャッフルして 2、3人に分けた「職員グループ」に配布します。
そして みんなが書いた 各お題の回答の中で、最も良いなあと思われる1行を選び、
グループとして、発表します。
「私たちの班が選んだものを発表します。
こどもの気持ちに立つとは、
■何(What)? ・・こどもの嬉しい、悲しい、寂しい、楽しいを感じること
■なぜ(Why)?・・一緒に喜んだり悲しんでくれる人を感じることでこころが育つ
■いつ(When)?・・保育の場の中でも特に1対1になった時
■誰(Who)?・・保育士だけでなく、園の職員 全部 を選びました。」
のように発表します。そして、その選んだ理由(良いなあと思った点)も発表します。
中には、すごい びっくりするような回答もあるかもしれません。
もちろん、すごい まさにそのとおりという回答もあります。
普段、無意識に使っている「言葉」を 他の先生が どのように考えているのかを理解し、
園全体で「言葉」に対して「共通理解」を持つことが この「ワーク」のねらいです。
その結果、園全体の「保育観」を共有することができます。(げんき)
※この研修は、保育者の離職を防止する!新しい「保育ストレスチェック」(3C診断)の中で使われています。