こどもの発達面の
不安の支援(第5回)

(この文章は、このHPを開設した2012年当時に書いたものです。)

第5回(最終回)

④こどもの発達面で不安感を持つ保護者への支援

当研究所では、幼児や学童期のこどもたちで 発達面で気になる子や診断名がついたこどもたちの生活支援やメンタルサポートを行っております。

 

特に、保護者の方については、笑顔でいらっしゃる方も多いのですが、やはりこころの中では、将来の不安や心配、そしてどう対応したらいいかという悩みを抱えていらっしゃる方が多いのが本当のところです。

 

第5回目の最終回は、気になるこどもたちの保護者への支援についてまとめてみました。 


「とても時間がかかるのだ」ということを忘れてはいけないのです。

「発達障がい」であると診断されるか、どうかに関係なく、ことば、行動、コミュニケーションなどで気になる点があるこどもたちに対しての保護者の心配や不安が落ち着き、受容するまでには 少し時間がかかるのです。在園時だけでなく、小学校入学後も、不安や心配が継続することは多く見られます。

「大丈夫ですよ」「すぐにちゃんとなりますよ」という言葉は、気休めという部分では一瞬 こころも休まり、安心できる言葉ではありますが、その反動も実は大きいものなのです。「大丈夫って言われたのに・・・なぜまだなの・・・」そうした不安が後になって起こってきます。「大丈夫ですよ」とお伝えするよりも、現状、遅れている部分があればそれを率直にお伝えしながらも、一緒に考えていきながら、ひとつひとつ成長した部分、昨日できなかったのが、今日できた部分などを伝えてあげながら、ゆっくり進んでいくほうが、保護者の不安感も減ることが多いようです。 (げんき)

 


理解しておきたい3つのポイント

①気づきを教えあう関係を目指す

これは、気になる子の保護者との関係だけでなく、すべての保護者との関係にも言えることです。

 

こどもは、毎日 確実に成長しています。それは園の中で気づかれることもあれば、家庭の中で気づかれることもきっとあるはずです。

 

そうした日々の成長の気づきを教えあう関係がとても重要だと思います。

連絡ノートを使うことや朝夕のお迎えの際の一言が「前に進んでいる」「改善している」という思いにつながっていくのです。

②自分たちが変わっていくのだという思いを持つことが大事

こどもは 自然に少しずつ成長していきます。

 

どうしても、気になる子の場合、周囲の大人たち(保護者だけでなく、保育者もそうです。)は、「こどもに変わってもらうこと」を期待し、待ち望んでいます。

 

こどもたちは、確実に成長しています。変わらなければならないのは、自分たちなんだという思いを保育者と保護者が持つことが大切なのです。 自分たちが変われば、こどもがものすごい勢いで成長していることに気づきはじめます。(げんき)

③こどもは 大人が自分をどのような目で見ているか、ちゃんとわかっているのです。

コミュニケーションがうまく出来なくて、あまり視線も合わせてくれない子。

 

こちらの話を聞いていない子。もしそうした子がいたとしても 忘れてはならないことがあります。

 

それは、「その子は、ちゃんとわかっている」ということです。保育者や保護者がどのように自分のことを思っているのだろうか、どのような目で見ているのだろうか、それはちゃんと理解しているのです。ただ、うまく表現できていないだけなのです。

 

「想い」は 表現しなくても 伝わってしまうものなのです。 

 

「お母さんの想いはちゃんと伝わっていますよ。」それは 気休めの言葉ではなく こどもの思いです。

 

こどもの思いを代弁してあげること。 これは 保育者としての大切な大切な仕事なのです。  (げんき)

 


5回にわたって、保育相談支援の中で、みられる4つのケースについての考え方のポイントを

まとめてみました。本当は、まだまだ沢山あるのですが、、、。また少しずつブログで書いていきたいと

思います。 研修やセミナーでは、より詳しく細かくご説明しております。

 

 

「保育相談支援」や「相談援助」、「保育ソーシャルワーク」の研修やセミナーの機会をご検討中で

もし、このサイトの内容にご共感頂けましたら、是非ともお声がけください。

 

ここでは、ご紹介できなかった ケース対応の様々な支援方法もご準備しております。(げんき)