(この文章は、2012年のHP開設当時に書かれたものです。)
現場の先生とお話していると、もっともよく聞かれる質問。
それは『保育ソーシャルワークって、どんなものなのですか? わかるような・・・わからないような・・。』『保護者の子育て相談と、どう違うのですか??』 といった内容のご質問です。
とても わかりやすい ストレートな質問だと思います。
この質問こそ、本当に≪保育者のホンネ≫なんじゃないかと思うんですね。
実際に、≪保育ソーシャルワーク≫というのは、明確な≪概念≫や≪定義≫というのは、色んな考え方や意見があるようで、『これだ』というものはない気がします。
でも単純に言えば 『保育を対象としたソーシャルワーク』 です。
そうなってくると、今度は、そもそも 『ソーシャルワーク とは』 という疑問点に変わってくると思うのですが、
これもまた 一言で表すにはとても難しい内容になってきます。
でも! (ここが大事なところですが・・)
すでに みなさんは 気づかぬうちに 現場でソーシャルワークをやっているのです。
(この点については、このサイトで少しづつ ご紹介したいと思います。)
保育所では、保護者や地域で子育てをしている方へ、「保育相談」や「子育て相談」という形で、子育てに関する様々な不安や家庭が抱えている悩みに対して相談、支援を行っています。
この相談や支援はとても重要な役割だと思います。
この『子育て相談』を支えているもの。
それは、それぞれの保育士の先生の≪これまで培ってきた経験≫や≪保育士としての専門的な知識≫がベースにあり、それは≪その先生が持っている経験や知識の質や量≫に大きく影響されると思います。
つまり、『子育て相談』は、≪沢山の保育経験や子育て経験、保育・子育ての専門知識≫がなければ、相談を受けることがとても難しいということになります。
たしかに、≪こどもの発達面≫や≪子育てに関する技術的なもの≫であれば、まさにその通りだと思います。
ただ、保護者や地域の子育て支援をしていくと、 ≪問題≫は こうしたものに限らない。
逆に それ以上に複雑な問題に出会うことの方が多くなってきました。
それは≪保護者自身の家庭・生活に関する問題≫です。
保護者の離婚、DV(ドメスティック・バイオレンス)、経済的な問題、メンタル不調、児童虐待、養育困難など・・
≪家庭生活の問題解決≫のアドバイスを求められることが多くなっている現状があります。
こうした問題は、今までの≪保育経験・子育て経験≫≪保育の知識≫だけでは解決に向かうことができず、また保育士や保育所内で、なんとかなる問題ではない場合が多く、他の関係機関との連絡調整や様々な福祉サービスへのつなぎや情報提供が必要となってきました。
こうした支援を行うための技術が≪ソーシャルワーク≫だと考えてもらうと理解しやすいかもしれません。
保育士は、≪ソーシャルワーカー≫ではありませんが、≪ソーシャルワークから学ぶもの≫は非常に多く、
子育て支援にとっては、≪欠かせない技術≫であると私は思っています。(げんき)
≪ソーシャルワークの理論≫について詳しく学ばれたい方は、是非色んな書籍で勉強してみてください。
私の考え方や具体的な方法は、≪元気さんの保育ソーシャルワーク≫(ブログ)の中で少しずつご紹介したいと思います。また 保育者向けの保育ソーシャルワーク というテキストを製作中です。(げんき)
最終的には、下の「書籍」になりました。